回虫 Ascaris lumbricoides
今よみがえる、寄生虫界不滅のス−パ−スタ−
| 病害性 | 幼虫:感染初期の肺移行に伴い、一過性の肺炎(レフレル症候群)を起こす。 成虫:腹痛、悪心などの消火器症状、胃痙攣様発作、虫の迷入による虫垂炎などを起こす。 少数では大して悪さしないが、多数では塊状になって腸閉塞を起こすなど、トラブルを起こす。 |
| ライフサイクル | 受精卵として、ヒトの糞便とともに外界へデビュ−。適当な温・湿度の下ですくすく育ち、分裂を重ねて幼虫包蔵卵*になる。これをヒトが摂取すると小腸で孵化、小腸壁に侵入した後、血流やリンパ流にのって肝臓、心臓を通り、肺に達する。ここでさらに発育をとげ気管を逆上るものの、咽頭で飲み下されてUタ−ン。再び小腸に戻り、成虫となる。約1〜2年で一生を終える。 |
| 体長 | 虫卵:受精卵 50〜70×40〜50μm 不受精卵 63〜98×40〜60μm 成虫:♂20cm×4mm ♀30cm×5mm |
| 住まい | ふだんは小腸で暮らすが、胃や肝臓などに迷入することもある。 |
| 感染経路 | 手指や野菜などの食品。幼虫包蔵卵としてこれらに付着し、経口的にヒトに侵入する。 |
| 弱点 | ピランテル・パモエイト(コンバントリン)などの駆虫薬攻撃に弱い。糞便内虫卵検査は産卵数が 多い(1日に20万個前後)為、直接塗抹法で十分。 |
| コメント | 日本では、戦中・戦後にかけて実に80%以上もの感染率を誇ったス−パ−スタ−的存在で あった。現在では感染者もほとんどいなくなり、関心が薄れている。しかし最近、有機栽培野菜 ブ−ムなどによってわずかではあるが復活の兆しをみせている。 |
*中にすでに幼虫を内臓している卵
勇気のある方は、下にある画像もご覧下さい。

成虫(上) 受精卵(中) 不受精卵(下)
参考文献
●藤田 紘−朗 監修 「パラサイト・ワ−ルドへようこそ」 潟oイエル・メディカル
●臨床検査シリ−ズ 寄生虫鑑別アトラス 佐伯英治・升 秀夫・早川典之 メディカルサイエンス社
●